OTA(オンライン・トラベル・エージェント)とは

宿泊業界について調べるとよく出てくるOTA(オー・ティー・エー)とはOnline Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)の略語で、インターネットのみで取り引きを行う旅行会社のことを指します。
「インターネット"のみ"」という定義のため、実店舗を持つ会社(TTA※)がオンライン上でも旅行プランを販売している場合はOTAとは呼びません。
※TTA(ティー・ティー・エー)とはTraditional Travel Agent(トラディショナル・トラベル・エージェント)の略語。店舗を持ち旅行商品を企画・販売する旅行会社のことを指します。

以前はびゅうプラザやJTB、H.I.S.など対面式の旅行代理店が多かったのですが、2015年から2017年にかけてOTAはTTAのオンライン販売を約3倍と大きく上回り、大きな成長を示しています。
また、インターネットを通じ海外からも気軽に予約が取れるため、インバウンド需要の追い風を受け集客や売上アップにつながっています。

混同されやすいのですが、TripAdvisor(トリップアドバイザー)やLINEトラベルなど、複数の予約を比較できるサイトはメタサーチエンジン(価格比較サイト)と呼ばれ、OTAとは別のカテゴリになります。

サービス紹介

国内OTA

■楽天トラベル
URL https://travel.rakuten.co.jp/
特徴 契約施設数が2万軒以上、国内最大級のOTA。利用層はビジネスユーザー中心で30~50代を中心に幅広い層から利用されている。

楽天スーパーポイントが貯まる・使えるため、普段から楽天市場や楽天カードを利用している人はさらにお得に利用することができる。

前身はマイトリップ・ネット株式会社の「旅の窓口」。2004年8月にマイトリップ・ネットと楽天トラベルが合併した。


■じゃらんnet
URL https://www.jalan.net/
特徴 前身は旅行雑誌じゃらん、2000年11月でOTAとしてサービス開始。国内2万軒以上の契約施設を取り扱っており、楽天トラベルと並ぶ国内最大級のOTA。

利用層はレジャーユーザー中心で20代の若年層から60代のシニアまで幅広い層から利用されている。無断不泊、いわゆるノーショー(No Show)対策として、一度無断不泊を行なったユーザーはじゃらんnetから予約ができなくなるペナルティが課されるなど独自の仕組みも展開している。

株式会社リクルートライフスタイルの運営のため、Hot Pepper(ホットペッパー)などリクルート系の他サービスで貯めたリクルートポイントを使用することも可能。Pontaポイントも使用可。


■るるぶトラベル
URL https://rurubu.travel/
特徴 JTBが運営していた「e-Hotel」というサイトが前身。2007年3月のサイトリニューアルとともに「るるぶトラベル」に名称変更された。

国内1万軒以上の契約施設を取り扱っている。主な利用層はビジネスとレジャー。PCでは30~40代、モバイルは20~30代の利用が多い。運営会社であるJTBのWebサイト利用者は40~60代、るるぶトラベルは20~40代が中心で若年層/中高年に棲み分けがされている。

2018年6月「るるぶトラベル会員」を「JTBトラベルメンバー」に統合。どちらのサイトでも予約が可能になり、ポイントや会員情報も統合された。


■一休.com
URL https://www.ikyu.com/
特徴 2000年5月開設。厳選された高級ホテル・高級旅館を取り扱うことで他OTAと差別化を図っている。2006年からは高級レストランを扱う「一休.comレストラン」も運営している。

一休プレミアムサービスはレギュラー・ゴールド・プラチナ・ダイヤモンドの4種類あり、利用金額に応じてステージが分かれている。会員ステージが上がるほどポイント付与率が高くなり、ゴールド会員以上はプライベートセールがあるなど定常的なインセンティブが受けられる。

2007年5月「Yahoo!トラベル」と連携開始。2016年2月よりYahoo! JAPANグループ入り。
 

海外OTA

世界のOTA市場はExpedia(エクスペディア)グループとBooking Holdings(ブッキングホールディングス)の2社に半数以上が占められている。

■Expedia(エクスペディア)
URL https://www.expedia.co.jp/
特徴 契約施設数は世界で約89万軒※。売上高はオンラインで世界二位、取り扱い額は世界一位とされている。

会員ステータスは3種類あり、全員Blueからスタート。泊数または利用額によってSilver・Goldにランクアップすることができる。ステータスが上がるとポイント還元率も上がる・客室のアップグレードが可能になる・優先カスタマーサポートなどの特典がつく。

2002年ブッキングホールディングスの買収を検討するが、ブッキング社は「エージェンシーモデル(現地決済方式)」を採用していたため買収を見送った。その後同社は世界的に拡大し、エクスペディアも「エージェンシーモデル」と「マーチャントモデル(前払い方式)」を併用するようになった。
https://www.kankokeizai.com/image/2019/20190105_12.pdf


■Booking.com(ブッキングドットコム)
URL https://www.booking.com/
特徴 1996年に設立。オランダに本拠地を置くOTAで掲載施設数は世界で2,900万軒以上(うち約590万軒がバケーションレンタル)※。
日本版であるBooking.com Japanは2009年4月に設立された。「エージェンシーモデル(現地決済)」を使い「キャンセル無料」を強みにすることでオランダ国外に進出した。

「Genius(ジーニアス)」というロイヤルティプログラムがあり、2年間のうちにbooking.comを使って2回宿泊をすれば誰でもGenius会員になることができる。対象施設であれば10~15%オフで宿泊することができ、Geniusレベル2では朝食も無料になる。

また、「Booking.comカード」(年会費無料)というクレジットカードがあり、100円(税込み)あたり1ポイントが付与される。「Booking.comカード」利用者限定の専用サイトで宿泊施設を予約し、このカードで現地払いをすると100円あたり5ポイントが付与される(還元率5%)。
https://www.kankokeizai.com/image/2019/20190105_12.pdf


■Hotels.com(ホテルズドットコム)
URL https://jp.hotels.com/
特徴 エクスペディアグループの一つ。前身である「Hotel Reservations Network, Inc」は1991年に設立された。
会員数3,000万以上。契約施設数は世界で約89万軒(エクスペディアと同一仕入れ)※。インターネットが普及していない時代に「マーチャントモデル(前払い方式)」を考案したパイオニア。

ホテルズドットコムで10泊すると1泊無料で宿泊できるサービスがある。適用除外期間はなく、国内・海外50万軒以上の宿泊施設が対象。これまで宿泊したホテル10泊分の平均費用が割引額となる。また、会員限定シークレットプライス対象の割引率は50%を越えることも。

2005年8月、エクスペディアグループの子会社となった。
https://www.kankokeizai.com/image/2019/20190105_12.pdf


■agoda(アゴダ)
URL https://www.agoda.com/ja-jp/
特徴 設立2005年、シンガポールに本社を置き、アジアを中心として展開しているブッキングホールディングスのグループ企業。世界中200万軒以上※の施設を扱う。
日本では東京や大阪など5か所に拠点を持ち、日本語対応のカスタマーサポートサービスもある。2016年12月、JTBとアゴダ日本の業務提携が開始しJTB取り扱いの宿泊施設が予約可能となった。2018年7月、楽天ライフステイと提携し民泊在庫をアゴダでも扱うなど積極的に日本法人と連携をしている。

会員登録をするとメンバー限定価格での予約が可能。また、他サービスと同様に宿泊価格に応じたポイントがたまる制度があるがポイントではなく「アゴダコイン」と呼ばれている。「アゴダコイン」はクレジットカードでの事前払いのみ使用できる。

2007年、ブッキングホールディングスのグループ企業になった。
https://www.kankokeizai.com/image/2019/20190105_12.pdf


■Trip.com(トリップドットコム)
URL https://jp.trip.com/
特徴 旧Ctrip(シートリップ)。設立は1999年。中国に本拠地を置く企業で中国のOTAとしては最大手。

カスタマーサポートは日本語対応。2019年4月からポイントが「Trip coins(トリップコイン)」制度に変更。ポイント時代と違い、割引コードに変換しなくても任意のポイントを使用することが可能になった。
Trip.comの会員ステータス(シルバー・ゴールド・プラチナ)とも連動しているため、ゴールドとプラチナステージの会員は予約時に一般会員より多くトリップコインを獲得することができる。

近年は中国以外にも経営範囲を広げ、2016年11月にメタサーチサイト(価格比較サイト)のスカイスキャナーを買収。
2016年11月、Trip.comを買収しスカイスキャナーの傘下とした。中国以外での知名度向上のため、中国を除くシートリップのサービスはTrip.comドメインへ移行された。
※データは2019年8月現在

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