ホテルのキャッシュレス決済導入!メリットや決済方法の種類を徹底解説

ホテルのキャッシュレス決済導入!メリットや決済方法の種類を徹底解説

近年、業種業態問わずキャッシュレス化が進んでいます。
ホテル業界においても、ユーザーの利便性の向上だけでなく、ホテル側の業務効率化の面でもキャッシュレス決済の導入が加速化しつつあります。
キャッシュレス決済の導入は、宿泊予約の促進においても効果的です。
特に、インバウンド需要によって訪れる訪日外国人観光客の多くは、現金よりもキャッシュレス決済を好む傾向にあります。

そこで、今回は、ホテルのキャッシュレス決済導入について、メリットや決済方法の種類などを紹介します。

ホテルで導入すべきキャッシュレス決済やその種類

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キャッシュレス決済を導入すれば、ユーザーは現金を使用せずに支払いが可能です。
紙幣や硬貨などの現金は、荷物としてかさばるだけでなく、盗難や紛失といったリスクがあります。
一方、キャッシュレス決済はデジタルであるため、比較的セキュリティが高く、簡単に支払うことが可能です。
現在、さまざまなキャッシュレス決済の手法が存在しますが、代表的な種類について紹介します。

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、クレジットカードを利用した支払い方法です。
具体的には、クレジットカードの発行元会社が代金を立て替えて支払い、ユーザーは後日請求された金額を支払うという仕組みです。
キャッシュレス決済は、クレジットカード決済が中心となります。
クレジットカードには、JCBやVISA、MasterCardなどいくつかの種類があるため、利用者のニーズを踏まえたクレジットカード決済を用意しておく必要があります。

QRコード決済

QRコード決済とは、スマートフォンなどでQRコードを読み込むことによって支払う方法です。
代表的なQRコード決済には、PayPayやau PAY、楽天ペイなどがあります。
ユーザーは、QRコード決済を利用することでポイント還元などの特典を受けることが可能です。
そのため、日本でも新たな決済方法として注目を集め、多くのユーザーが利用するようになっています。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

電子マネー決済

電子マネー決済は、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードやiDなどを使用した支払い方法です。
あらかじめICカードやiDなどに現金をチャージしておくことで、端末にタッチするだけで簡単に支払うことが可能です。
一般的に電子マネー決済は、鉄道やバスなどの交通費の支払いに利用される傾向にあります。そのため、駅近辺などのホテルに宿泊する場合、交通費と合わせて電子マネーで支払いを希望するユーザーも少なくありません。

デビットカード決済

デビットカード決済は、銀行口座などと連携し、利用と同時に口座残高から引き落とされる支払い方法です。
銀行やATMなどから現金を引き出さなくても、クレジットカード決済の要領で支払いが可能であるため、デビットカードには多くの利用者がいます。
また、銀行口座に残高がないと利用できないため、クレジットカード決済のように使いすぎるリスクが少ないというメリットがあります。

ホテルの支払い方法

ホテルの支払い方法

ホテルの支払い方法は、主に現地決済と事前決済に分類されます。
それぞれについて、紹介します。

現地決済

現地決済とは、ユーザーがホテルに訪れた際にフロントで支払いを行う手法です。
基本的には、チェックインやチェックアウトのタイミングで支払います。
現地決済では、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることができるというメリットがあります。
一方、ユーザーの支払いのタイミングが重なると一気にフロントに殺到してしまうため、フロントスタッフの業務負担が大きくなるというデメリットがあります。
そのため、繁忙期などでは会計処理にかかる手順などを十分考慮しておかなければなりません。

事前決済

事前決済は、事前にユーザーが支払う手法です。
オンラインで予約したタイミングで支払ってもらうことで、当日フロントで決済する必要がなくなります。そのため、スムーズなチェックイン、チェックアウト対応が可能となります。
また、事前決済は、フロント業務の効率化につながるだけでなく、収益を事前に確定させるというメリットがあります。
当日の決済業務が不要になり、サービスの提供に集中できるため、品質向上につながります。

ホテル業界のキャッシュレス決済の導入は進んでいる?

ホテル業界のキャッシュレス決済の導入は進んでいる?

キャッシュレス決済の導入は、ホテルに限らず業種問わず浸透してきています。
もともと日本では、現金支払いのニーズが高く、QRコード決済などはなかなか普及しませんでした。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、対面での対応が難しくなるとキャッシュレス化のニーズが高まり、現在では多くのユーザーがキャッシュレス決済を利用しています。
経済産業省の調査によると、ホテルでの支払い方法としてクレジットカード決済を利用するユーザーが全体の65%となっています。
このようなキャッシュレス決済の動きは加速化しつつあり、今後もさらに普及することが想定されています。

ホテルでキャッシュレス決済を導入するメリット

ホテルでキャッシュレス決済を導入するメリット

ホテルでキャッシュレス決済を導入することによって、以下のようなメリットがあります。
それぞれについて、紹介します。

フロント業務の効率化

キャッシュレス決済を導入することにより、フロント業務の効率化につながります。
現金での決済よりもキャッシュレス決済のほうが、スムーズに決済することができるからです。
「現地決済」のところでも触れたように、ユーザーの支払いのタイミングが重なるとフロントは手一杯になり、ユーザーを待たせることになります。
これに対し、キャッシュレス決済であれば、スムーズに決済できるため、フロント業務が効率的になります。

人的ミスの軽減

キャッシュレス決済のメリットとして、人的ミスの軽減が挙げられます。
現金決済の場合には、最終的に売上とレジ内の現金が合っているのかを確認する必要がありますが、誤差が生じることがあります。
このように現金を確認する際は、どうしても人的ミスは起こりえます。
一方、キャッシュレス決済であれば、あらかじめ宿泊プランに応じた金額を設定しておけば、金額のズレなどが生じるリスクはほとんどありません。
そのため、人的ミスは軽減されます。
また、キャッシュレス決済であれば、売上を一元管理できるため、集計や分析などにも役立てることも可能です。

集客強化

集客強化も、ホテルでキャッシュレス決済を導入するメリットです。
現金決済以外の支払い方法(キャッシュレス決済)に対応しておくことは、宿泊予約の増加などにより集客効果につながるからです。
キャッシュレス決済の浸透に伴い、ユーザーの中にはできるだけ現金で支払いたくないといったニーズも増えています。
このような客層に対し、現金支払いのみでは機会損失につながりかねません。
競合ホテルとの差別化を図り、集客強化につなげる上でもキャッシュレス決済の導入は効果的です。

セキュリティ強化

キャッシュレス決済の導入は、ホテルのセキュリティ強化という点でメリットがあります。
現金対応のみの場合、フロントのレジには常に多くの現金を用意しておく必要がありました。そのため、盗難や紛失といったリスクがありました。
一方、キャッシュレス決済の場合、多くの現金をフロントに用意しておく必要がなくなるため、盗難や紛失のリスクを軽減させることが可能です。
また、キャッシュレス決済自体にも暗号化技術などセキュリティ対策が強化されているため、安心安全な会計処理が可能となります。

インバウンド対策

ホテルでキャッシュレス決済を導入するメリットとして、インバウンド対策が挙げられます。
ホテル業界において、訪日外国人観光客を対象としたインバウンド対策は、売上増加や利益拡大には欠かせないからです。 海外からの宿泊希望者の多くは、キャッシュレス決済を求める傾向にあります。
海外では、日本以上にキャッシュレス化が進んでいるからです。
そのため、インバウンド対策を行い、海外からの宿泊希望者の集客を募る上でもキャッシュレス決済の導入は有効です。

 
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キャッシュレス決済導入のデメリット

キャッシュレス決済導入のデメリット

キャッシュレス決済の導入には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
そのため、キャッシュレス決済導入のデメリットを押さえておきましょう。

導入コスト・決済手数料がかかる

基本的に、キャッシュレス決済の導入にはコストがかかります。
クレジットカードやQRコードの読み取りには専用の端末が必要になり、導入に際して初期費用や月額費用がかかるからです。
そのため、自社ホテルのユーザーニーズや予算などを考慮して、中長期的に検討していく必要があります。
例えば、クレジットカード決済を利用するユーザーは多いものの、QRコード決済を利用するユーザーは少ないといったケースもあります。
このケースでQRコード決済を導入しても、コストのほうが高くなる場合があります。
とはいえ、導入しないことによる機会損失が生じる可能性もあるため、とりあえず導入して利用者の傾向を見極めながら、調整いくことが重要です。
また、クレジットカード決済では、決済サービス提供会社に決済手数料を支払う必要があります。
その結果、現金決済よりも利益が低くなるため、キャッシュレス決済を導入した際は利益率にも注意が必要です。

入金されるまでに時間がかかる

キャッシュレス決済では、ユーザーが支払い手続きを行った後、決済サービス提供元にて手数料を引いた金額がホテル側に支払われます。
そのため、現金決済よりも、入金されるまでに時間がかかる傾向にあります。
入金までのタイムラグによって、キャッシュフローに影響してくる場合には、キャッシュレス決済の導入を慎重に検討する必要があります。

通信障害で利用できない可能性がある

通信障害で利用できないことがあるのも、キャッシュレス決済導入のデメリットです。
キャッシュレス決済は、オンラインサービスであるため、利用するにはインターネット回線が必要です。
しかし、ホテルの中には山奥や辺境の地にあるところも少なくありません。
このような場所ではインターネット回線が不安定なため、通信障害などでキャッシュレス決済に対応できない場合もあります。
また、市街地のホテルであっても災害やトラブルによって通信障害が発生した場合には、キャッシュレス決済ができなくなることがあります。
このようなリスクに備えて、予備の回線や現金対応などを事前準備しておくと安心です。

PMSと連携すればキャッシュレス決済のスムーズな導入が可能に

PMSと連携すればキャッシュレス決済のスムーズな導入が可能に

キャッシュレス決済の導入は、ホテルの集客や宿泊予約の増加を図る上で重要なポイントになりつつあります。
効率的に活用することで、フロント業務の効率化にも効果的です。
ただし、キャッシュレス決済にはいくつかの種類があり、手数料やキャッシュフローなど注意すべき点があります。
この記事で紹介した内容を参考に、自社ホテルのユーザーニーズを踏まえ、効果的にキャッシュレス決済を導入していくことが重要です。
また、フロント業務の効率化には、キャッシュレス決済とPMS(プロパティ・マネジメント・システム)の連携も効果的です。
PMSの活用によって顧客の予約情報や宿泊履歴、決済データを一元管理できるため、より精度の高いホテル運営につなげることが可能になります。

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