ホテルや民泊向けのスマートロック・スマートキーおすすめ7選!解錠方法や選び方を解説
ホテルや民泊向けのスマートロック・スマートキーおすすめ7選!
解錠方法や選び方を解説

従来、ホテルや民宿ではシリンダーキーやカードキーなどの物理的な鍵を使用するのが主流でした。しかし、物理的な鍵を使用していると、どうしても紛失や盗難の危険が伴います。一方、最近では暗証番号を使ったスマートロック(スマートキー)を採用している宿泊施設も増えています。
今回は、ホテルや民宿にスマートロックを導入するメリットや解錠方法、製品の選び方を紹介します。
ホテル・民泊向けのスマートロック(スマートキー)とは?
スマートロックとは、暗証番号やスマートフォンなどで客室を解錠できる電子キーのことです。スマートキーと呼ばれることもあります。日本国内では、2015年に多くのスマートロックが発売開始されました。以降、住宅を中心に普及していき、現在では宿泊施設でも使用されるようになっています。 スマートロックは、シリンダーキーやカードキーなどの物理的な鍵を持ち歩く必要がないため、鍵の紛失や盗難といったトラブルを防ぐことができます。また、鍵を受け渡す手間も省けるため、ホテル・民宿向きの鍵として多くの宿泊施設で導入が進んでいます。
スマートロックの種類や解錠方法
宿泊施設で使用されるスマートロックは、解錠方法によっていくつかの種類に分けられます。ここでは、ホテル・民宿で使用されるスマートロックの種類を紹介します。
スマートフォン型
スマートフォンに専用アプリをダウンロードして、Wi-FiやBluetooth経由で解錠を行います。通常はゲストのスマートフォンを使用しますが、所持していないゲストには、宿泊施設の方からスマートフォンの貸し出しが必要です。
暗証番号型
客室ドアの端末に暗証番号を入力して解錠を行います。物理的な物品が一切必要ないのが最大の利点です。暗証番号はフロントで共有されているため、万が一ゲストが番号を忘れてしまっても再提示ができます。
ICカード型
ICカードをドアの端末にかざして解錠するタイプのスマートロックです。事前にゲストが所有するICカードを登録しておく必要があります。スマートフォンの操作が苦手なゲストでも簡単に解錠できるのが利点です。
上記のほか、物理的な鍵の代わりにQRコードを使用するものや、顔認証型のスマートロックもあります。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
スマートロックをホテルや民泊で導入するメリット

メリットの多いスマートロックは、日本国内はもちろん、海外の宿泊施設でも広く利用されています。
ここでは、スマートロックをホテルや民宿で導入する4つのメリットを解説します。
チェックイン業務の効率化
スマートロックをホテルや民宿で導入すると、チェックイン業務の効率化が期待できます。
物理的な鍵を使用する場合、チェックインの際にフロントスタッフがゲストに直接鍵の受け渡しを行わなければなりません。チェックアウトの際は、ゲストがスタッフに鍵を返却する必要があります。
スマートロックを導入すると、鍵の受け渡しや返却の手間が省けるため、フロントスタッフの業務負担は大幅に軽減されます。
また、ホテルや民宿の無人化も可能となり、料金を抑えた宿泊プランを提供できます。
セキュリティ強化
スマートロックの導入は、セキュリティの面でも非常に大きなメリットが得られます。
物理的な鍵は、盗難の危険が伴います。合鍵も作成できるため、ゲストや悪意のある第三者が複製しないとも限りません。万が一、不法侵入や貴重品の盗難などのトラブルが発生した場合、刑事事件に発展する恐れもあります。そうなると、ホテルの印象が悪化することにつながりかねません。
一方、スマートロックは物理的な鍵を貸し出す必要がないため、盗難のリスクは最小限に抑えられます。セキュリティ強化により、ゲストに安心感を与えられるのもスマートロックのメリットです。
鍵の紛失防止
スマートロックは、鍵の紛失防止にも役立ちます。
物理的な鍵だと、ゲストが鍵を紛失した場合、スタッフが一緒に探し回ったり交換したりしなければなりません。紛失時に対応する労力や交換費用などは、ホテル側にとって大きな負担となる場合があります。
スマートロックを導入すれば、ゲストが鍵を持ち歩く必要が無いため、紛失するリスクがありません。鍵を管理する煩わしさから解放されるため、ゲスト側にもメリットがあります。
入退室や利用状況の管理
物理的な鍵を使用していると、客室のドアを確認しない限り、解錠・施錠の状態が把握できません。例えば、チェックアウトの時間を過ぎても退室していないゲストがいたとしても、すぐに気付けない場合があります。
スマートロックには入退室や利用状況を管理する機能があるため、宿泊施設の管理者はリアルタイムで入退室状況を確認できます。
また、製品の中には、遠隔で解錠や施錠ができるものもあります。これを利用すれば、鍵のかけ忘れや非常時もスピーディな対応が可能です。
スマートロックをホテルや民泊で導入するデメリット

メリットの多いスマートロックですが、いくつかのデメリットが挙げられます。ホテルや民宿でスマートロックの導入を検討している方は、以下の5つの点に注意してください。
解錠方法が分からない、解錠できないなどのトラブル
スマートフォンで解錠するタイプのスマートロックでは、解錠方法が分からない・解錠できないなどのトラブルが発生しやすいです。特に、スマートフォンを使い慣れていないゲストやスマホを所有していないゲストからは、「使いづらい」と感じられる可能性があります。
こうしたトラブルや不満を生まないためにも、チェックインの際にスマートロックの操作方法を案内したり、説明書を配布したりするなどの工夫が必要です。スマートロックを選ぶ際は、操作が簡単で扱いやすいものを選ぶようにしましょう。
システムの故障やエラーなどのトラブル
スマートロックは専用の機器や端末を使用することから、システムの故障やエラーなどのトラブルが発生する可能性があります。
スマートフォン型のスマートロックの中には、Bluetoothでダイレクト通信を行うものがあり、最初の入室時に接続設定が必要です。また、再入室の際もその都度接続しなければならないため、通信トラブルが起きた場合は解錠ができなくなります。
また、スマートフォン型のスマートロックは、スマホの電池切れが起きると解錠できないのもデメリットです。
スマートロック管理システムから鍵を発行する手間
スマートロックで電子キーを発行するには、専用の管理システムから客室へのアクセス権限を設定する必要があります。そのため、宿泊施設のスタッフが予約ごとに発行手続きを行う手間が発生する点がデメリットとなり得ます。部屋数・予約数が多くなるにつれてスタッフの業務負担が大きくなることも考えられます。
対処法として、スマートロックをPMS(ホテル管理システム)やサイトコントローラーなどと連動させ、予約情報に基づいて電子キーを自動発行する仕組みを導入することが有効です。
定期的な電池の交換
現在普及しているスマートロック製品の多くが電池式です。スマートロックが電池切れになると、客室ドアの開閉ができなくなります。解錠ができなくなることでゲストに迷惑をかけないよう、定期的な電池の交換を行いましょう。
また、電池の残量が少なくなると通知されるシステムを採用すると便利です。
ハッキングによる不正利用
スマートロックは、Wi-FiやBluetoothで通信を行い、サービス会社のサーバーに接続します。万が一サーバーがハッキングされた場合、第三者による不正アクセスのリスクがあります。これにより、勝手に鍵を解錠されたり鍵を開閉できなくなったりすると、ゲストに多大な迷惑を掛けることになります。
スマートロックを導入する際は、ハッキング対策も考慮する必要があるでしょう。
ホテルや民泊で導入するスマートロックの選び方

ホテルや民宿でスマートロックを導入する際は、メリットはもちろん、デメリットを解消できる製品を選ぶことが大切です。ここでは、ホテルや民宿でスマートロックを導入するときの選び方のポイントを紹介します。
解錠方法で選ぶ
スマートロックは、解錠方法別にスマートフォン型・暗証番号型・ICカード型の3種類に分けられます。
ホテルや民宿でスマートロックを導入するときは、どんなゲストでも簡単に操作できる解錠方法を選ぶのがベターです。
3種類の中で解錠が最も簡単なのは暗証番号型であり、実際に多くの宿泊施設で利用されています。 スマートフォン型は直感的に解錠できるのが利点ですが、スマホの操作が必要なため外国人ゲストなどは戸惑ってしまう可能性があります。
また、ICカードはチェックイン・チェックアウト時にフロントでの受け渡しが必要です。 スマートロックを解錠方法で選ぶ場合は、客層やターゲット層、ゲストの業務負担などを総合的に判断して決定しましょう。
機能や連携できるシステムで選ぶ
スマートロックの導入でホテル・民宿の無人化や省人化を前提にするのであれば、機能や連携できるシステムを選ぶことが大切です。
PMS(ホテル管理システム)やサイトコントローラーなどと連携していれば、予約が入ると自動的に鍵が発行されるため、ゲストごとに手動で鍵を発行する必要がありません。遠隔で鍵の無効化や変更ができる機能があれば、スタッフの業務負担は大幅に軽減されます。
ただし、高機能で連携できるシステムが多いスマートロックほど導入コストがかかります。必要な機能・システムを見極め、予算を考慮して製品を選びましょう。
導入費やランニングコストで選ぶ
導入費やランニングコストも踏まえて選ぶことが大切です。ホテルや民宿でスマートロックを導入するに当たり必要な費用は主に4つあります。
- スマートロック本体代
- 取付工事費
- サービス利用料
- 電気代もしくは電池代
スマートロック本体の代金は必ずかかりますが、後付け可能な物であれば取付工事費がかからないこともあります。
サービス利用料は外部のサービス会社に支払う費用ですので、利用しなければ発生しません。
サービス会社に支払う月額費用は1,000円~と低額ですが、台数分の費用が発生することを踏まえて選定しましょう。
ホテルや民泊におすすめのスマートロック7選
スマートロックを導入するに当たり、どの商品を選べばいいのか分からないと迷っている方は多いと思います。
ここでは、ホテルや民宿におすすめのスマートロック7選をご紹介しますので、比較検討してみてください。
RemoteLOCK
RemoteLOCKは、株式会社構造計画研究所の製品・サービスです。暗証番号をテンキーで入力して解錠するタイプのスマートロックで、予約情報に基づいてゲストごとに暗証番号が発行されます。
管理者はクラウド上で全客室の鍵を一元管理できるため、ホテルから離れた場所からでも鍵を管理できます。さらに、API連携による予約・チェックイン・決済、入退室履歴の確認なども可能です。
ホテル向きのスタンダードモデル「RemoteLOCK 500i」は、室外側は暗証番号、室内側は内鍵(サムターン)で鍵の開け閉めを行うようになっています。
本体価格 | 66,000円(RemoteLOCK 500i) |
工事費用 | 40,000円~ |
サービス料金 | 月額2,200円/台(ビジネススタンダードプラン) |
※価格は全て税込です。
KEYVOX
KEYVOXは、ブロックチェーンロック株式会社が提供する製品・サービスです。QRコードや暗証番号で解錠するタイプのスマートロックで、既存の錠前を選ばずに後付けできます。物理錠への取り付けであれば、DIYで設置可能です。PMSやサイトコントローラーなどとの連携もできます。
KEYVOXでは鍵を保管できるキーボックスタイプ(Lockin L1)も選べるため、民宿など物理キーを採用している宿泊施設でも導入可能です。
本体価格 | 8,900円(Lockin L1) 78,100円(BCL-QR1) |
工事費用 | 要見積もり |
サービス料金 | 年間27,500円/台 |
※価格は全て税込です。
bitlock PRO
bitlock PROは、株式会社ビットキーが提供する製品・サービスです。スマートフォンアプリや、ICカードなど12種類の解錠方法から選択できます。
既存の物理錠に工事不要で後付けでき、99%のサムターンに対応しているので、オートロック未導入のホテルや民宿でも導入しやすいスマートロックです。
専用の管理システムを使えば、解錠権限付与や入退室履歴の確認も簡単にできます。
bitlock PRO 独自のLTEモデルを選べば、Wi-Fi通信ができない宿泊施設でも導入が可能です。
本体価格 | 要見積もり |
工事費用 | 工事費不要 |
サービス料金 | 月額5,000円/台~ |
※価格は全て税込です。
カギカン
カギカンは、Qrio株式会社が提供している製品・サービスです。本体は貼り付けるタイプなので工事不要で設置できます。用途に応じてスマホアプリやICカード、PINコードなど、さまざまな種類の鍵発行ができるため、ホテルや民宿以外にもオフィスや自習室などで活用されています。
ドアが閉まると同時にオートロックが作動するため、ゲストが内鍵を閉め忘れてもセキュリティが保たれます。管理システムから鍵の開閉履歴やドアの入退室履歴が確認でき、複数の部屋を一元管理することが可能です。
本体価格 | 要見積もり |
工事費用 | 工事不要(Pro機器は1ヶ所30,000円) |
サービス料金 | 月額4,500円/台 |
※価格は全て税込です。
Akerun
Akerunは、株式会社Photosynthが提供しているクラウド型入退室管理システムです。スマートフォンやICカードで解錠するタイプのスマートロックで、故障やトラブルに対する24時間サポートが受けられます。
強固なセキュリティを強みとしており、PマークやISMSの取得にも対応可能です。
内鍵付きの開き戸や電気錠、自動ドアなどさまざまなドアに後付けで設置でき、専用システムで入退室管理できます。
本体価格 | 要見積もり |
工事費用 | 工事不要 |
サービス料金 | 要見積もり |
※価格は全て税込です。
L!NKEY
L!NKEYは、株式会社ユーエムイーが提供している製品・サービスです。暗証番号やICカード、スマホなどの解錠方法があり、ネットワーク接続によりクラウド上で管理ができます。Wi-FiとBluetoothを経由し、遠隔からリアルタイムで解錠や暗証番号の設定が可能です。耐候性や防水性に優れており、台風や降雨の多い地域、寒冷地などの環境にある宿泊施設でも安心して利用できます。穴を開けることなくネジで取り付けでき、1台からでも導入しやすいため、民宿におすすめのスマートロックです。
本体価格 | 110,000円(L!NKEY Plus) |
工事費用 | 要見積もり |
サービス料金 | 月額770円/台~ |
※価格は全て税込です。
Baycomスマートロック
Baycomスマートロックは、株式会社ベイ・コミュニケーションズが提供する製品・サービスです。ホテル・民宿向けの本格的なスマートロックで、テンキーやスマホ、ICカードでの解錠に対応しています。後付けの機器は脱落のリスクがありますが、Baycomスマートロックは、オートロック未導入の宿泊施設に後付けする場合でもサムターン・内鍵を丸ごと交換するため安心です。
電池駆動のほか、別売のACアダプターを取り付ければ常時給電ができるため、電池切れのトラブルも防止できます。
本体価格 | 0円 |
工事費用 | 0円~ |
サービス料金 | 月額1,903円/台~ |
※価格は全て税込です。
スマートロック導入でフロント業務のDX推進!
今回は、ホテルや民宿にスマートロック(スマートキー)を導入するメリットや解錠方法、製品の選び方を紹介しました。
スマートロックを導入する最大のメリットは、フロント業務のDX化が実現できることです。製品も、既存の物理錠や電子錠に対応したものや、鍵を保管するキーボックスタイプのものなどさまざまな種類があり、多くは工事不要で後付けできます。
その一方、ゲストが鍵の解錠に戸惑う可能性があることや、通信トラブル・ハッキングのリスクなどスマートロック特有のデメリットがあることも注意しなければなりません。
今回紹介したおすすめのスマートロックから、ホテル・民宿の規模や予算、ゲスト層などに合った製品を比較検討してみてください。
※掲載されている内容は公開日時点の情報となります。