ホテル宿泊予約システム比較10選!選び方やおすすめ機能を徹底解説
ホテル宿泊予約システム比較10選!選び方やおすすめ機能を徹底解説
ホテルや旅館を運営する上で、効率的な予約管理はスムーズなオペレーションや人件費の削減にも関わる重要な要素です。
オンライン予約が主流の昨今、Webと連携した宿泊予約システムを活用することは予約管理の効率化に直結します。
この記事では、宿泊予約システムを導入するメリットや自社に合った選び方、便利な機能について解説します。
おすすめの宿泊予約システムも10選紹介しますので、導入時の比較検討にお役立てください。
ホテルの宿泊予約システムとは
ホテルの宿泊予約システムは、Webや電話など様々な経路での予約を一元管理できるシステムです。受注処理から顧客情報管理、チェックイン・チェックアウト、売上管理などのフロント業務を自動化することができ、販促機能まで備えたものもあります。ホテル予約エンジンとも呼ばれています。
宿泊予約システムの機能
宿泊予約システムには、主に下記のような機能があります。
予約管理 | 予約の受付や内容確認、変更、キャンセル処理 |
---|---|
顧客管理 | 顧客情報の自動登録、利用履歴管理、名簿作成 |
プラン・料金管理 | 宿泊プランの造成、日別料金設定や販売開始・停止処理 |
在庫管理 | 空室や売り止めをする客室数の管理 |
決済管理 | オンライン上の事前決済処理 |
チェックイン・チェックアウト | チェックイン・チェックアウト時に予約内容や清算情報を表示 |
マーケティング機能 | 販促メール配信、ポイント付与、データの数値化 |
サイトコントローラー連携 | OTAと連携した在庫管理 |
これらを宿泊予約システムで管理することでデータの処理や整理が自動化され、よりスピーディーで正確な業務を進めることができます。
サイトコントローラーやホテル管理システム(PMS)との違い
宿泊関連の管理システムに関連するツールには、「サイトコントローラー」や「ホテル管理システム(PMS)」と呼ばれるものもあります。これらが宿泊予約システムと異なる点を解説します。
サイトコントローラー
Yahoo!トラベル・楽天トラベル・Booking.comなど、複数のOTAと自社の予約システムを一元管理できるオンラインシステムを指します。残室や料金を一括管理でき、オーバーブッキングのリスク回避に欠かせません。宿泊予約システムと連携して使用されます。
ホテル管理システム(PMS)
予約や客室管理を行う際に利用するホテルシステムのことです。宿泊プランの販売、予約状況の管理、会計を行う際の精算、残数チェックなどを行う客室管理、顧客情報、データ分析など、一元化されたデータを状況に応じて様々な機能に利用し管理を行うことができます。
宿泊予約システムは予約管理を中心に機能を備えていますが、サイトコントローラーの機能を連携活用することでより管理業務の効率化を図れます。一方、ホテル管理システム(PMS)は、さらに広範的なホテルの管理業務を実現できます。
ホテルが宿泊予約システムを導入するメリット
宿泊予約システムを導入すると、これまで手作業で行っていたフロント業務が自動化され効率的になると同時に、ヒューマンエラーの防止も期待できます。ここではホテルが宿泊予約システムを導入する3つのメリットを解説します。
予約管理・顧客管理の効率化
宿泊予約では、ゲストの予約情報とホテル側の客室情報を併せた管理が必要です。予約受付や決済管理、料金設定、残室管理、空室待ち設定など、複数の業務を常に更新しながら管理しなければなりません。
宿泊予約システムは、これらの業務を自動化できます。例えば、自社のWEBサイトにシステムを埋め込むと、ゲストはオンライン上で予約手続きを行えます。リアルタイムでシステム内にデータが蓄積されて予約受付が自動で完了し、ゲストには予約受付が完了した旨のメールが配信されます。
このように、宿泊予約システムを導入すると効率的なフロント業務が24時間可能になります。スピーディーで正確な対応は顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
マーケティングへの活用
宿泊予約システムで管理する顧客情報をマーケティングに活用することも可能です。
食事の好みや記念日、利用傾向などの個別情報をもとに、パーソナライズしたおもてなしをプランニングすることや、好みに合う特別プランを設定し次回の利用促進に使うこともできます。中にはポイント付与機能を備えたものもあり、リピート促進に役立ちます。
また、さまざまなデータを抽出することができるので、シーズンや部屋ランクによる利用の推移や利用目的などを分析し、今後の戦略に活かせることも魅力です。
OTA手数料の削減
予約ソースを複数持つことで露出機会の増加を期待できる一方、OTA経由の予約に発生する手数料の削減は、どの宿泊施設でも抱える課題でしょう。
宿泊予約システムには自社プランの販売機能があり、直接予約を受けることができます。OTAよりも掲載できる情報の自由度が高く、存分に魅力を伝えることが可能です。料金や内容の変更も容易で、タイミング良く更新することで利益拡大に貢献します。
自社サイト限定プランを設定するのもおすすめです。自社サイトでの予約を促し、リピーターを育てることにより売上アップとOTA手数料の削減に期待できます。自社サイトでの予約を増やす仕組みを作ることが手数料の削減と収益拡大につながります。
宿泊予約システムの選び方・比較ポイント
宿泊予約システムのタイプで選ぶ
宿泊予約システムの導入によって叶えたい目的や解決したい課題を考えてみましょう。自社の規模や客層、力を入れているサービスなどとマッチングするタイプを選ぶことが重要です。
基本機能充実タイプ
小規模施設であれば、予約受付管理の基本機能が揃っていてオプションは重視しないリーズナブルなタイプを選ぶのも良いでしょう。
ブランディング重視タイプ
宿泊予約システムの中には、デザインやカラーをカスタマイズできるものもあります。自社のブランドイメージと一体感を持たせ、オリジナリティを出すことが可能です。
SNS、主要プラットフォーム連携タイプ
検索から予約完了まで操作が最短ステップで完結することは重要です。使い慣れたLINE画面から予約を完了できるものや、SNS連携機能を使ってログインできるものはユーザーフレンドリーと言えます。Googleホテル広告やYahoo!検索へプランを掲載し露出を拡大する機能も備えたものもあります。
オールインワンタイプ
宿泊予約システムとホテル管理システムの機能が一体となったタイプで、それぞれの機能を一つのシステムで管理できるため、操作性やコストパフォーマンスにも優れています。
ユーザーの予約しやすさで選ぶ
予約内容を決定し、いざ予約ステップに進むと会員登録を要求されてなかなか本予約に進めない、入力画面が見づらいなど、ユーザーストレスが発生すると途中離脱が起こり予約完了に至らないケースがあります。
そのため、自社のユーザーの予約を想定し、実際にデモ操作してみることをおすすめします。入力箇所が少ない、テキストが簡潔でデザインも見やすいなど、予約のしやすさは予約数の増加に影響すると考えましょう。
宿泊予約システムの機能で選ぶ
各社が提供している宿泊予約システムにはそれぞれの特徴があります。自社が必要とする機能が備わっているか、外部との連携機能があるかなど、運営方針にマッチするものを選ぶことが重要です。
特に確認すべきポイントを3つ挙げますので、ぜひ参考にしてください。
事前決済機能
事前決済は、ノーショー回避や現地決済の待ち時間、業務負担を減らすメリットが大きい機能です。インバウンド利用が多い施設では、国際クレジットカードやコード決済の対応ブランドも確認しておくことが大切です。
外部システムとの連携
宿泊予約システムは外部システムと連携することにより、さらに活用の範囲を広げることができます。そこで、連携予定の外部システムとの互換性について必ず確認しておきましょう。特にOTA予約管理のサイトコントローラーとの連携は必須です。
多言語対応
個人のインバウンド層を多く取り込む戦略なら、多言語対応は重要です。自動翻訳機能付きの宿泊予約システムには、任意の言語を選択すると自動翻訳して表示されるものもあります。有料オプションかどうかも確認しましょう。
サポート体制や安全性で選ぶ
宿泊予約システムを選ぶ際にはシステム本体のほか、サポート体制や安全性を確認しておくことも大切なポイントです。
営業中に不具合やエラーが起こった場合は迅速な対応が求められます。この時、問い合わせ窓口がメール対応のみや、時間や曜日の制限があると、すぐに相談やサポートを受けられないことも考えられます。安心できるサポート体制かどうかを確認しておきましょう。
また、個人情報を取り扱う宿泊予約システムでは、万全のセキュリティー対策が必須です。各社のセキュリティー対策状況も必ずチェックしておきたい事項です。
導入コストで選ぶ
宿泊予約システムの利用には、一般的に初期費用と月額利用料のコストが発生します。多機能やオプションの充実性を重視すると費用が膨らむ傾向にあります。まずは自社の課題や導入目的を明らかにし、選択基準を設定することが大切です。
比較の際は、連携予定の外部システムを含めた機能とコストを包括的に判断すると良いでしょう。機能が重複する場合、一つでカバーできるオールインワンタイプのシステムを選ぶとコスト削減につながります。
宿泊予約システムの導入事例も参考にしよう
宿泊予約システムは、各社それぞれの強みや特徴を持っています。
導入を検討する際は、自社と同規模の施設や業態が採用しているシステムをリサーチすることをおすすめします。宿泊予約システムの提供企業のホームページから、導入事例を確認すると、どの機能をどう活かしているかなどの情報が得られます。
また、導入した企業の予約サイトを直接確認すると、使用感を感じることもできるでしょう。
おすすめの宿泊予約システム10選
ここからは、おすすめの宿泊予約システムを10選紹介します。特徴や料金を解説しますのでぜひ参考にしてください。
Direct In S4
6,400件以上の導入実績があり、最大級の国内シェアを誇る宿泊予約システムです。表示速度が速く、最短2ステップで予約完了というシンプルな操作性でサイト離脱を防ぎます。
Googleホテル広告やYahoo!検索へのプラン掲載が可能で、検索からの集客に寄与します。
さらにSNSアカウントがあれば簡単にログインできるため、ユーザーには嬉しい機能です。室数や規模を問わない料金体系も魅力と言えます。
Check Inn
サイトコントローラーとPMS機能が集約された、オールインワンタイプの宿泊予約システムです。
複数のシステムを連携する必要がないため個別契約のコストを抑えられるほか、スタッフが複数の画面を操作する負担も軽減できます。
さらに予約画面のデザイン編集が可能でUI/UX の洗練さにもこだわりがあり、使いやすさが重視されています。
予約プロプラス
2,000施設以上の導入実績があるクラウド型の宿泊予約システムです。基本的な予約管理のほか、空室待ちや多言語対応、空室カレンダー、口コミ表示、投稿機能などのオプション機能が充実しています。
宿泊業界向けWEB制作を手掛けるアビリブが展開していて、デザインカスタマイズや予約データを集計するeコマーストラッキング機能も活用できるなど自社に合わせた運用が可能です
tripla Book
多言語対応が標準オプションとして備わっていることが最大の特徴です。また、言語によってルームチャージか人数チャージのプランの出し分けが可能。
チャットボット連携機能もあり、インバウンド需要を高めたい施設に向いています。
さらにベストレートの自動設定や、航空券とセット販売するダイナミックパッケージ機能も販売手数料無しで利用できます。
RESERVA予約
宿泊業に関わらず、累計300,000社の様々な業種で導入されている予約システムです。
予約受付、決済、顧客管理、集客まで基本的な管理機能のほか、100種類以上の豊富な機能を自社のサービスに活かせます。
月間予約件数や登録顧客数に制限があるものの、手数料不要のフリープランが用意されているので小規模施設にも対応しています。
リザエン
200以上の業種に対応する豊富な機能とカスタマイズ性が特徴のオールインワンタイプの予約システムです。
権限分け機能があるため、複数の施設で共用することが可能。
また、スマートロック連携機能がサービスの無人化に貢献します。セキュリティー対策にも定評があり、専門のサポートチームやポータルサイトなどサポート体制も充実しています。
タビチャットエンジン
ユーザーにも施設側にも使いやすいUI・UXを重視した宿泊予約システムです。
初期費用、月額ともに無料プランが用意されているほか、有料プランでも機能追加や室数による追加料金なしの一律料金のため、多言語翻訳やメルマガ、オプション販売機能などをプラン内で利用することができます。
気軽に宿泊予約システムを試してみたい場合におすすめです。
予約番
デザインと分かりやすさにこだわった宿泊予約システムです。レイアウト5種×カラー11色の55パターンのデザインが用意され、自社のイメージにフィットする予約画面を簡単に作ることができます。
またレスポンシブデザインでスマホ画面でも見やすく、3ステップのシンプルな予約プロセスで予約完了までのサイト離脱を防ぎます。
さらにアップセル、クロスセルの自然な提案で単価アップに貢献し、インバウンド特化の予約画面も備えるなど各方向からの使いやすさに優れています。
リピッテホテル
LINE公式アカウントを利用した宿泊予約システムです。LINEから最短10秒で予約を完結することができます。
また顧客情報やアンケート回答よりセグメントしたLINEメッセージやクーポンの配信も可能です。メルマガに比べて開封されやすいLINEを活用することでコミュニケーションをとりやすく、リピーターの育成に役立ちます。
宿シス
30室未満の小規模から中規模の施設に多く導入されている宿泊予約システムです。
予約受付と管理、カレンダー表示、スマホ対応、クレジットカード決済にも対応し、基本機能を整えながら操作しやすい画面構成で、料金設定がリーズナブルという導入のしやすさが特徴です。
基本機能以外にも料理などを選択できる機能のほか、日帰り予約や空室通知など稼働率を高める機能も備えていて、シンプルな機能で予約業務を効率化したいという小規模施設におすすめです。無料体験版も用意されています。
ホテルの規模や運用にあった宿泊予約システムを選ぼう
ホテル宿泊予約システムは、フロントの予約管理業務の効率化に欠かせないツールです。
顧客情報とマーケティング機能を活用して自社サイトへの流入を増やし、新規顧客の獲得やリピート利用の促進に役立つほか、顧客満足度の向上にもつながります。自社サイト経由の予約増加は、コスト削減と収益拡大を見込める大きな要素です。
このように、自社にとって適切なシステムは効率的な運営を実現してくれます。まずは解決したい課題を明確にして、必要な機能を検討しましょう。自社の規模と運営方針に沿って選ぶことで、宿泊予約システムを上手に活用できるでしょう。
※掲載されている内容は公開日時点の情報となります。